研究概要

直接体験とは,自分の身体を通して実際に体験することである.直接体験は豊かな人間性や自ら学び考える力などの基盤とされ,運動能力の向上や感性の発達など多くのことが期待されており、子どもの成長にとって非常に重要であるといえる.しかしながら,インターネットやゲーム機の普及,空き地の減少や公園でのボール遊びの禁止など,生活環境や遊び環境の変化により,子どもの遊び方も変化してきており,外遊びが減少している.そこで,本研究では,,直接体験の機会を増加させることを目指し,子どもを外遊びに誘導するおもちゃ「もりのはこ」を制作した.もりののはこは,外遊びを生み出すおもちゃ箱コンセプトとし,様々な季節の素材を使って外で遊ぶことのできるおもちゃのシリーズである.今回は,秋にどんぐりで遊ぶためのおもちゃとして,ガラガラ,どんぐりねずみ,どんぐりの木,の3つを制作した.これらのおもちゃは3Dモデルと3Dプリンタによる造形でプロトタイピングを繰り返し,サイズや形状を決定した.また,おもちゃの最終完成バージョンはCNCフライスを用いて大きな木片から切り出して制作しているため,遊びながらも木の香りやぬくもりを感じられるようになっている.

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